2011年6月28日火曜日

pH 電極用アンプ回路のメモ

オペアンプは,入力インピーダンスの高いもの.10^12 Ohm 程度以上.
バイアス電流はミニマムが数十pAぐらいまで,特に電源電圧が低い(±2.5V)と入力電圧がさがってダイナミックレンジがせまくなる.
± 5V で TL072, TLE2072 が, 5V 単電源では TLE2072 も可, LTC6741 が良好.LMC662 でよいようだ.
電極からの入力は,直接 Vin+ と基準電位で受ける,フィルタはいれない.
フィルタを入れるなら一段目の出力以降.
一段目をユニティゲイン,二段目で増幅10倍なら,一段目から二段目の間に 60Hz カットのCRフィルタ,また二段目のNFBにコンデンサ 0.1uF を入れる程度で交流電源ノイズは数パーセントになる.
反転増幅なら基準電圧は電源の分圧で可.非反転増幅ならNFBのベースになるので変動しないよう汎用オペアンプで定電圧出力を作って使う.
電圧基準IC LM336-2.5 を使うと基準電圧のノイズが小さくできる.
+5V 単電源の場合,基準電圧 2.5V,二段目ゲイン10倍で 200/1024 前後から 800/1024 前後の振れ.
デカップリングコンデンサは,上記フィルタとオペアンプ Vdd-Vss 間,電源ラインの4〜5個で可.
ソフトウェアで 667usec 間隔,331 サンプル程度から平均で最確値を得る.

ふれは ± 20/1024 程度.ボードのシールドや発振回路との隔離,電極の線のとりまわしに注意する.ブレッドボードはウラに銅箔をはった.手を近づけたり体を動かすだけで値が変動する.

2011年6月27日月曜日

LED照明の寿命4万時間とかあきらかにウソじゃないの

サンゴ水槽用の 27W LED照明の一つが点灯しなくなった.使い出してまだ一年少々ではないか.同じ 27W 型3つのうち,一つは購入して1月前後で点灯しなくなりメーカーに送って交換.別の種類 9W ブルーは3つとも一年ほどで点灯しなくなった.いずれも設計寿命は4万〜5万時間.一日12時間点灯なら買ったうちの半分ぐらいは10年もちそうなものである.
パソコンの電源や周辺機器が動作しなくなる故障で多いのは,スイッチング電源の電解コンデンサの寿命によるものである.電源モジュールの中のふくらんだ電解コンデンサを見つけて,それを新品と交換すると元気に復活する.つい先日もキューブPCのATXーFlex電源を復活させたばかり.

しかしLED照明のスイッチング電源は,電解コンデンサの交換程度で復活したことがない.結構高価なものなので,点灯しなくなったものは電源モジュールを取り外して穴をあけ,AC/DCアダプタで外からDCを供給,LED用定電流モジュールをかませて点灯させ使っている.タップはアダプタだらけになった.

まるでダメ電源(右上)と改造後のLED照明.

近頃は白熱電球型の白色LED照明が増えている,それらも寿命4万時間をうたっているが,どう考えてもおかしい.水槽用ほどあかるくないので大丈夫かもしれないが,やはりスイッチング電源を使っているはず.電解コンデンサの寿命は、長寿命タイプでも1万時間,普通は4〜5千時間である.しかも電源回路内蔵コンパクトなのでかなり熱くなる.一年でだめになるということは,寿命は4〜5千時間ということだ.4〜5万時間もつのは,LED素子モジュールだけのはず.
と思っていたら,「LED照明器具の光源の寿命はLEDモジュールの寿命のことです。(社)日本照明器具工業会にて2010年7月に改正された「JIL5006:白色LED照明器具性能要求事項」の中で,...」という記述をみつけた.LEDモジュールって,光る部分だけなのか?この基準自体はどこのメーカーも同じだとおもうが,省メンテナンスをうたうのはおかしくないか.
世に出回って1〜2年もしないうちから4年と表示して,設計寿命であるから保証するわけではありません,というならなんのために表示するのだろう.確率統計的な推定をするのだろうが,推定した方々のモデルがおかしくない保証はどこにあるのだろう.
故障検定という分野で身近にいる方は,「授業の評価は年々よくなっている」というタイトルがグラフにつけられ調査した期間のうち最後の数年だけで縦軸を引き延ばしたグラフを分析結果として発表していた.アンケート回答の選択肢の番号,程度をあらわす数値ではないもの,を平均したグラフ.インフル騒ぎのときは,流行シミュレーションによって厚労省が発表している感染率に収束するグラフを出していたが横の時間軸に目盛がなくいつ収束するのかわからないのが残念だった.機器の故障が相次いだときは,調査をさせて「これからも故障機器はふえる」という結果出していたそうだ.

照明の寿命がきたと判断するのは点灯しなくなるか明るさが70%を切ったときだそうだが,それは照明器具として評価するものではないのか.メーカー創始者の業績を振り返っても,照明は電気機器メーカーの魂の源じゃないのか.

2011年6月20日月曜日

放射線計数管(ガイガーカウンター)

法律で放射線というのは空気を電離する能力を持った粒子線あるいは電磁波のことをいうらしい.霧箱で軌跡を描くもの,ということになる.
ガイガーカウンターは,放射線がガイガー・ミュラー計数管に入って電離させたイオンが電流を流すそのパルスを数える装置で,なにかきたのはわかるがなにが入ったかはよくわからない.
管は金属チューブ,ガラスでおおわれていたりするので
(1)ガンマ線とか高エネルギーX線は,入るだろう,
(2)ベータ線もエネルギーが高くて運がよければ?入るだろう,
(3)アルファ線はマイカ(雲母)膜のような薄い素材の窓からなら入るだろう,プラスチックやガラスはあんまり通れないだろう,
という程度で種類をおおざっぱに判別するようだ.

今話題のナントカシーベルトのような,荷重被曝線量のようなものを測るわけではない.
何ベクレル,のような時間あたり崩壊数を直接測れるわけではない.
測れるのは毎分/毎秒何カウントか,なので,異常がないときのカウント数と,環境放射線被爆量を対応させるようだ.
崩壊核種がきまっていれば,崩壊あたりに出る放射線がきまってベクレルっぽいカウントになるのかもしれない.

ガイガーカウンターは世界的に入手困難,アメリカは輸出管理をしているようだ.
日本ガイシのNGK実験サイトでは写真フィルムケース(←すでに入手困難)にライターガスをつめる自作実験を紹介しているが,インターネット上の成功体験からは,電圧をかなりかける必要があり静電気は結構ためないといけないらしい.

GM管だけはどこかにないかと思ったら,旧ソヴィエト製のガンマ線と強ベータ線のみのやつなら eBay で入手できるのだった.
日本でも紹介しているサイトがあったが,有料ネタにされている.ただ世界中に同じことを考えた方々の成功事例,たとえばたとえばこちらとかなどがあるので参考にしてためしてみた.


CMOS 版 555 タイマで 400V を発生している.
回路はパルスをひろうのが 2SC1815 になっているだけでこれと同じである.
勤務先の居室でのカウントは,建物コンクリのラドンより宇宙線が主だろうか,17 ~ 20 cpm である.
核戦争や原発事故のような状況のための管なのか,アルファ線や弱いベータ線は測る気がないのが,潔い.