2012年5月20日日曜日

Arduino のプログラミングを自宅で(ステップ2)

Arduino IDE インストールの後,WinAVR コンパイラセットなどを導入して,実際にコンパイルしてみます.

Win AVR クロスコンパイラキットの導入

Arduino IDE にもコンパイラなどが含まれていますが,コマンドとして認識させるためのパスの設定に手間がかかるので,パソコンに詳しい人以外は, 別に WinAVR という Atmel 社のマイコン用の GNU C コンパイラや必要なツールが一つにまとめられたソフトウェアパッケージをインストールすると便利です.

インストーラ形式になっているので,現時点の最新版をダウンロードしてインストールします.

インストールすると,Windows のコマンドプロンプトで avr-gcc コンパイラなどが使えるようになります.

特製 Makefile のコピー

これで UNIX で行うのと似たような手順でプログラミング,コンパイル,Arduino へのアップロードができますが, コンパイルの時に動作クロックや対象チップ名が,リンクの時にアップロード可能な形式のバイナリファイルへの変換が, またアップロード時に使用するCOMポートの指定などが必要で,いちいち間違えないようタイプ入力するのが大変です. そこで,次の Makefile を作業するフォルダ(ディレクトリ)にコピーします.

特製 Makefile

この Makefile を使ったプログラミングとアップロードの作業は,次のようになります.
  1. 1. 作業するフォルダ(ディレクトリ)を作り,メモ帳などのテキストエディタでプログラムのファイル main.c を書き そのフォルダに保存する.ファイル Makefile もそこにコピーしておく.
    ※WinAVR をインストールすると,テキストエディタ Programmers NotePad もインストールされる. メニューは英語だがそちらのほうが便利.
  2. 2. コマンドプロンプト(スタートメニュー > すべてのプログラム > アクセサリー > コマンドプロンプト)をひらき, cd コマンドで作業フォルダへ移動する. マイドキュメント の中のディレクトリなら,cd ¥Users¥ユーザー名¥Documents¥ディレクトリ名 になる.
  3. 3. make とタイプしリターンキーを押す.make コマンドが Makefile を読んで,main.c をコンパイルする. 成功すると,main.elf, main.hex などの機械語ファイル,アップロード用プログラムファイルができるのでファイルリストをとって確認する.
  4. 4. プログラムする Arduino を USB ケーブルで接続する.接続した Arduino のCOMポート番号は,あらかじめしらべて控えておく. Arduino UNO の場合は make upload.uno.COM番号 とタイプしリターンキーを押す. Arduino Duemillanove の場合は make upload.due.COM番号 とする. プログラムが Arduino にアップロードされる.Arduino ボードのシリアル通信LEDが点滅し,コマンドプロンプトにはアップロード作業の進行状況を報告する表示が出る.エラーなく終了したら,成功しているはず.
エディタはメモ帳,ワードパッドなどなんでもいいが,どうしても emacs を使いたいなら Windows 用の emacs をダウンロードしてインストールすればいいでしょう.
ftp.gnu emacs ダウンロードサイト

2012年5月18日金曜日

Arduino の C やアセンブラプログラミングを自宅で(ステップ1)

Arduino を使って C/C++ やアセンブリのプログラミング演習ができますが,自宅のパソコンに必要なソフトウェア, 環境を準備する方法を説明します.

Windows PC の場合

大学の演習端末などは Linux など Unix 系であることが多く,学生用に販売されている PC も二つ以上 OS がインストールされ Linux が選択できることがあります. しかし,普段使わない人が Linux を使うのは面倒が多くメリットも少ないので,Linux なれしたこだわりがある人以外は,Windows でやった方がいいのです.どうしても emacs や X window を使う必要がある場合も Windows で動かすことはできます. メーカーが配付しているソフトウェアも,Windows 用が基本です.

Arduino IDE をダウンロードしてインストールする.

Arduino を使うときに最初に使用する,Arduino IDE は,簡単なスケッチで動作を確認したり,シリアルポートの番号をしらべたり, シリアルターミナルで Arduino の print 出力を見たりと便利に使えますし,コンパイラ gcc/g++ やプログラムのアップローダ avrdude を Arduino 専用にもっていますので,とりあえずインストールしましょう. 最新版はバージョン 1.0 です.大学で使っているもののバージョンと違っても,最新版にしておいたほうがよいでしょう.

ダウンロード http://arduino.cc/en/Main/Software

圧縮ファイルを展開して,フォルダごと Program Files (Windows 7 の場合 Program Files (x86) が適切な場合があります)にコピーして入れてください.フォルダの中の Arduino.exe を開いて起動してみてください. ためしに,短いスケッチをコンパイルしたり,アップロードしててみてください.

File > Examples > 1.Basic > Blink

Arduino を初めて USB ケーブルでつなぐと,ドライバのインストールを求められます. コピーしたフォルダに driver というフォルダがあってドライバはそこに入っていますから,マニュアルインストールが必要な場合は,そこから選んでインストールしてください. Arduino IDE でアップロードができたら,自分でコンパイルしたプログラムもアップロードできるようになったということになります.